15. 細胞死が組織のサイズを制御するメカニズム
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器官や組織は常に一定の形態や大きさに発生するが、内在的に組織の大きさを制御するメカニズムは未だに謎 これまでのいくつかの研究において「細胞競合」が器官の大きさの決定で重要であることが提唱されてきた 隣り合う細胞同士がお互いの増殖速度を感知し、増殖速度の遅い細胞が除去される現象
c-mycがん原遺伝子のショウジョウバエホモログであるdMycを羽原基において局所的に発現させたところ、細胞競合が引き起こされ、dMycが発現した細胞に隣り合う野生型の細胞が除去されることが観察された これらの細胞除去はショウジョウバエにおけるアポトーシス促進遺伝子hidの誘導により起こり、hid依存的な細胞死は細胞競合時の羽の大きさの決定に欠かせないことが明らかとなった さらに、同様のメカニズムは正常発生における羽の大きさの決定に関与することが示唆された
またMorenoらも同様に、細胞間のdmyc発現レベルの差が細胞競合を引き起こすことを明らかにし、これらの細胞競合が腫瘍の形成に関与していることを提唱した